ポワロも已められない日記

めし、風呂、アガサ・クリスティを読む、大学も行ってる、さしみの日乗。

『スタイルズ荘の怪事件』#1(~p.26)、「ゴジラ」最新作

※ネタバレあるかも。

アガサ・クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』(ハヤカワ文庫)。
止まらない咳を無理矢理抑えつつ、ベッドでページを開く。

きわめて印象的な人物で、背丈は低く、卵型の頭をしていて、細心に手入れした口ひげをたくわえ、それを極度に自慢しています。ポアロのイメージは、アガサ・クリスティー第一次大戦中にイギリスに逃れてきたベルギーからの亡命者の一団を見た時に形づくられたものと思われます。(『スタイルズ荘の怪事件』所収、マシュー・プリチャード*1寄稿文、pp. 4-5)

本作冒頭には、彼女の孫からの賛辞ないしは作者作品紹介の序文が寄せられている。タイトルに補足するなら「日本の読者へ」といったところだろう。押しつけがましさがない文章だ。

さて、物語ははじまる。

ひところ世間を騒がせた”スタイルズ荘事件”に対する関心は、最近ではいくぶん下火になった。それでも、これほどのスキャンダルを引き起こしたからには、資源の全貌を記録しておくべきだということになって、友人のポアロならびに遺族の方々から、わたしに依頼があった。事実を記すことで、いまだにささやかれている興味本位の噂も消えるはずだと思ったのだ。(「第一章 スタイルズ荘へ」p.11)

これは、ポワロの友人であり〈助手役〉ともなるヘイスティングズが語っている。ここからしてデビュー作は「シャーロック・ホームズ」の枠組みを用いているのが、ミステリの素人であるわたしにも解る。
ヘイスティングズは軍人(陸軍大尉)で、傷痍の身となり前線から本国に送還されている。しばらく療養したところでこの事件に関わることになるのだ。
そして、事件の〈記録〉をとりはじめる。

昼前に、品川へと「ゴジラ -1.0」を家族で観に行く。アカデミー賞(視覚効果賞)受賞で、お祝い記念上映をしているのだ。ほんとうはお隣の「君たちはどう生きるか」を観たかったのだが、なぜか家族全員に反対された。でも、観に行こうと思っているけどね。

ゴジラ、なるほど、物語も視覚効果もとても〈シームレス〉な感じがした。(フックという意味ではなく)引っかかりがなく、わたしの中で物語が進行し映像が流れていった。鮮やかだ。「ゴジラ」第一作へとつながるようなストーリィ構成であるが、さて続編(ないしは次回作)をどうするのかが心配なところだが、そういう悩みは贅沢というべきなんだろう。楽しかったです。

www.asahi.com

*1:アガサ・クリスティの娘ロザリンドの息子でクリスティー財団の理事長、と文庫には紹介されている。