岩波文庫 100冊 をハイカラ決めて読む日記

岩波文庫創刊100周年に向けて。

ドイル『シャーロック・ホームズの回想』[5/100]#1 / 酷暑

本日も酷暑。いちいち言わんでもよろしがな。

往復の電車の中で、『シャーロック・ホームズの回想』を引き続き読んでいく。「シルヴァー・ブレイズ」「ボール箱」の2篇。
これが『シャーロック・ホームズの冒険』となると、例えば「赤毛連盟」とか「ボヘミアの醜聞」とか、よく知られたタイトルが浮かんでくるが、この『回想』となると、さてどんなタイトルが出てくるか。
もちろん「最後の事件」もあるし、「ギリシャ語通訳」も浮かぶ。「海軍条約文書」もあったなと。

蒸し暑さの中から車中で涼を浴びる人びとにまぎれて、のんびりと文字を追っていく。そうなのか、この「ボール箱」は発表当初にその内容から物議を醸して単行本化されなかった〈いわくつき〉の一篇。こりゃ楽しみだ。

その「ボール箱」の締めくくり。

「ワトソン、この事件にはどんな意味があるんだろうね」ホームズは厳しい口調で言い、調書を置いた。「この悲嘆と暴力と恐怖の連鎖はいったいどこへ向かうんだろう? 必ず行き着く先はあるはずだ。でないと世の中はすべて偶然によって支配されることになる。そんなことは考えたくもないよ。
だが、終着点はどこだ?
これは永遠に続く問いであり、人間の理性は決して答えに辿り着けないんだろうね」(改行引用者)